元航空自衛隊パイロットのうつ病生活

パイロットだった頃の話や、うつ病で退職した後の話など、自由にお話していきたいと思ってます。

航空学生 後任期編⑤

みなさんこんにちは!
前回は入隊2日目がようやく終わったとこまで話しました。
巻きで話そうと思ってるのですが、内容がかなり濃いのでなかなか巻けませんでした💦


今回は導入期間という、地獄の一か月間の中での出来事の「舎前」についてお話します。


最初、「舎前」ってなに?
と疑問に思われるかもしれませんが、自衛隊の建物は「隊舎」や「庁舎」と呼ばれ、その建物の正面のことを「舎前」といいます。
そして、航空学生にとって、いい思い出がないのが「舎前」という言葉です。


自衛隊に入隊後の初めての金曜日。
いつもより消灯時間も普段より遅く、翌日は休みということもあり、一週間乗り切ったという達成感や、ようやく休みでゆっくりできるといった安心感で、みんなどこか緊張が緩んだ雰囲気です。


自習時間も終わり、居室でそれぞれの時間を過ごしていると、
「ブツ、ザーーー」
と、放送のマイクが入った音がしました。


みんななんだろうと、動きを止めて聞いていると、
「後任期学生舎前集合。服装、乙武装(作業服に弾帯)、ライナー(ヘルメット)、一種編上靴(短めのブーツ)。5分以内に出てこい。」
と、放送がかかりました。


後任期の学生はみな、どういうこと?といった感じで、部屋から顔を出して様子をうかがっていると、
「さっさと着替えて出てこい!」
と、指導学生の怒鳴り声が聞こえ、みんな急いで着替え始めました。


自習の時間も同じような服装だったので、集合までの時間がかからないはずですが、金曜の夜で点呼まで時間があったということもあり、人によっては服を着替えたりしていた学生もいたため、集合完了までの10分以上かかってしまいました。


指導学生のリーダーから怒声を浴びせられ、
「分からないんだったら体で教えてやる。」
と言われ、各人の間隔を開けさせられ、腕立て伏せの姿勢を取らされました。


そして腕立て伏せが始まるのですが、正直何回やったかは覚えていません💦
誰かができてなかったりすると、カウントが1からスタートしてしまうからです。
点呼の直前までやってたんで、大体30分~1時間くらいやってんですかね~(;´・ω・)


お風呂も入った寝る前だというのに、汗だくで寝るので最悪な気分です。
この「舎前」は、後任期課程のうちは、ほぼ毎週行われていました💦


僕たちの期別は、2期上の先輩方から見ても「さすがに舎前やりすぎ💦」って言われてました( ;∀;)


さて、今日はこの辺にして、
また次回後任期のときの思い出をお話します(^-^)
それではよい一日を(@^^)/~~~

航空学生 後任期編④

みなさんこんにちは!
前回は、台風からバタバタの夕食までの話をしました。
今回は「航友会」(部活の時間)以降のお話をします。



航空学生課程では「航友会」という部活動の時間があります。
学生は、野球部、サッカー部、剣道部、バスケ部の中から入部する部活を決めなければなりません。


以前はラグビー部もあったようですが、腰を痛める危険があるとのことで、廃部になってしまったようです。


導入期間中はこの時間も、自衛官の基礎となる教練の訓練などを行います。
18時頃から約1時間ほど、航友会の時間があります。
なので、教練の時間も同じ時間訓練を行います。


そして、その時間が終わると、いよいよ入浴の時間です。
本来なら体をよく洗って、湯船にゆっくりつかりたいところなのですが、入隊から間もない期間は、そんな時間はありません。


服装も作業服にブーツを履いた状態なので、着替えにも時間がかかってしまうことに加え、移動は駆け足で行かなくてはなりませんでした。
(僕が入隊2年目になってしばらくして、汗を流したのに、また駆け足で走って汗をかくのは不衛生と、隊長の一言があり、歩いて入浴に行くことが許可されました。)


せっかく入浴したのに、汗だくの作業服にブーツを履くので、慣れない間はとても気持ち悪かったです💦


そして身の回りを整理した後に自習へと向かいます。
導入期間中はこの時間がかなり憂鬱な時間でした。


自習時間とはいうものの、授業も受けてない状態で何を勉強しようかと、同期で話し合っているうちに扉が開き、指導学生が入ってきました。


その時点でやばいことが始まると、全員が察知したと思います。
そして罪状を読み上げるように、一人ひとり名前を呼ばれ、指導されました。
「〇〇〇(学生の名前)、ベッドメイクが汚い!、靴も磨いてない!、あいさつの声も小さい!」
「〇〇〇、作業服にシワがついてる。ちゃんとプレス(アイロンがけ)したんか!?」


そして全員の名前が読み上げられると、壁に背をついて空気椅子の姿勢を取らされました。
はじめのうちは指示された姿勢(太ももと床が平行)でできるのですが、時間が経つにつれてしんどく、姿勢が崩れてしまいます。すると、
「もうへばってんのかよ!」
「まだ始まったばっかだぞ!?」
と、指導が入ります。


5分~10分ほどが経ったくらいで、
「まだあと10分もあるぞ!?」
と言われたときの絶望感は半端なかったです💦


もう空気椅子の姿勢もとれず、姿勢をとっては崩れ、姿勢をとっては崩れを何度も繰り返しているうちに終了の時間となりました。
そしてフラフラしながら自分の席へと戻り、指導の時間は終わりました。


みんなへとへとで、しばらくの間は誰も何の言葉も発しませんでした。
そして数分後にようやく言葉を発し、指導されないための対策を話し合い、自習時間が終わりました。


自習終了後は、消灯まで40分ほどしかなく、その間に歯磨きや、洗濯物を干したり、翌日の準備、アイロンがけなどで、のんびりしている時間はありません。
そして、食事もゆっくり摂っていないためお腹が空いてしまいます。
そんな時に、先輩が入隊祝いに、机の引き出し一杯に買ってくれたお菓子の出番です。


本当にありがたく、ブラックサンダーを食べた時の感動は今でも覚えています(笑)


そして点呼、消灯を迎え一日がようやく終わるのでした。
汗をかき、気持ち悪かったですが、ベッドに入った瞬間かなり幸せな気持ちになり、一瞬で寝た覚えがあります(笑)


今回でようやく航空学生二日目が終わりました(;^_^A
次回からも覚えている範囲で、ちょこちょこ書いていこうと思います!
それでは、よい一日を(@^^)/~~~

航空学生 後任期編③

みなさんこんにちは!
前回は航空学生後任期の二日目の途中で話が終わってしまったので、続きをお話しします。



8時15分に国旗掲揚を行い、それが終わるといよいよ課業時間となります。


午前中の授業は「教育隊」という、教えることをメインとしている部隊が行い、午後の授業は「学生隊」という、学生をビシビシ鍛える部隊が担当します。


(教育隊の授業は優しい、学生隊の授業は厳しいし、きついといった感じです)


入隊から間もないころは、午前中は学力を測定するためのテスト、午後は教練という、自衛官の動作などを教わる時間でした。
なので、テストで疲れた~と言ってる暇もなく、午後の訓練の時間がやってきます。


教練では、自衛官の基本の姿勢である「不動の姿勢(きをつけ)」や「敬礼」、「回れ右」などの基本的事項を演練します。


そして、午後の授業が終わると、急いで居室に帰ります。


すると、きれいに畳んだはずの布団やベッドは、突風が吹いたのかと思いたくなるほどバラバラになっていて、靴箱の靴は床に放り投げてあり、ロッカーにカギをかけ忘れていた学生は、ロッカーの中の物が全部出されていました。
これが有名な「台風」です。
ベッドメイクが不十分(布団がバームクーヘンのようにきれいに揃っていない)や、靴の磨きが足りないなどの際に発生し、台風にあった学生は、区隊長(学校でいう担任の先生のような人)に事後報告に行かなければなりません。


初めて台風にあったときは、正直何が起こったか分からない状態で、ほとんどの学生が放心状態です。
そうこうしているうちに、先輩学生も戻ってきて、
「台風来てるね~(笑)」
「片付け大変だな~」
と、面白がっている先輩もいれば、
「さっさと片付けろ!」
「邪魔だからこっちを先にどうにかしろ!」
という先輩もいました。


そして、そうこうしているうちに17時の国旗降下の時間になりました。
ただでさえ時間がなく、急いで片付けをしたいのに、国旗掲揚や降下の時間は動くことができません。


国旗降下が終わり、残り40分ほどでベッドメイクや夕食に行かなくてはなりません。
しかし、慣れないうちはベッドメイクするだけで20~30分ほどかかってしまいます。
そして集合し、食事となるので、夕食を食べる時間も5分もないくらいになってなってしまい、夕食もタッチ&ゴー状態です。


そして夕方の部活の時間、「航友会」が始まります。


長くなってしまいそうなので、今回もここで切りたいと思います。
次回は「公友会」以降のお話をします(^-^)
それでは、よい一日を(@^^)/~~~